株式会社ヴォンエルフ Woonerf Inc.

Page TopPage Top

Certifications 各評価制度

WELL

1. WELLとは

WELL(WELL Building Standard®)とは、建物の設計・建設・運用のベストプラクティスに「人間の健康」の評価軸を加え、“ウェルビーング” に影響を与えるさまざまな項目の測定や審査を行い、一定基準をクリアした空間に対して認証をする世界基準の評価制度です。

ウェルビーングは、健康であることに加えて、より幸福で充実した人生を送るために、健康であることだけでなく、生活の質、ストレス管理、ポジティブな感情、成長、自己実現などの要素も含み、人生において重要な幸福感や充実感を得ることの意味を含む概念です。

審査及び認証は、LEED®と同様、米国のGBCI®(Green Business Certification Inc.)が行います。制度設計や評価制度の運営は、IWBI(International WELL Building Institute)が中心となって行っています。WELLは、2014年にWELL v1、2018年にWELL v2 pilot、2020年にWELL v2が発表され、2021年から新規に登録するプロジェクトは、WELL v2のみの運用となっています。

2. WELLの種類・対象となるプロジェクト

WELLは、エビデンスに基づく健康や快適性に貢献する認証システムとして、オフィスビルだけでなくさまざまなプロジェクトタイプに適応できるように設計されています。

建物単体に対する認証は、主として「WELL Certification」、「WELL Core」の2種類の認証類型があります。「WELL Certification」は建物全体や専有部を対象とし、「WELL Core」はテナントビルの共用部を対象としています。認証は3年間有効で、継続するには再認証が必要です。

建築空間だけでなく、街区やコミュニティ単位のウェルビーングへの取り組みを、包括的、総合的、レジリエンスのコンセプトで評価する「WELL Community」も用意されており、世界的に拡大し続けています。

また、WELLには、個別建物で評価されるWELL認証のほか、複数の建物で評価される「WELL at Scale」があります。WELL at Scaleには企業等の所有・入居する全ての建物をまとめて評価する「Enterprise」と、5つ以上の複数建物構成を評価する「Portfolio」があり、これらを選択することで個別建物での認証取得に比べ、審査コストの削減や工程の合理化が可能です。

Enterpriseレベルで認証を公約する場合は総合的にスコア化する「WELL Score」を用いることで、また、Portfolioレベルで認証を公約する場合は各プロジェクトスコアの平均点を算出することで、その企業等のESGへの取り組みの進捗状況を示すことが可能になります。

LEED

3. 評価項目

WELL認証の評価システムは以下の通り「空気、水、食物、光、運動、温熱快適性、音、材料、こころ、コミュニティ」の10のコンセプトカテゴリーで構成されています。

WELL v2
【Air】 空気
人は生涯の90%を室内空間で過ごすと言われており、室内の清浄な空気は人々の健康にとって重要な要素です。WELLでは、空気のカテゴリーに重点を置いており、空気質のモニタリング、活性炭フィルターを使用した空気中汚染物質の除去、VOCの低減に貢献する建材選定など、高い基準を設けています。
【Water】 水
きれいな飲料水は健康維持に欠かせません。また、多くの人は十分な水分を慢性的に摂取できていないというデータがあります。WELLでは、飲料水のアクセシビリティ向上や各種フィルターを用いて汚染物質を除去するための基準を設けています。
【Nourishment】 食物
質の悪い食事は健康に悪影響を及ぼすだけでは無く、仕事の生産性低下に繋がると言われています。WELLでは、健康的な食事を選択することへの動機づけや、栄養に関する知識を提供することで、理想的な食生活の実現を目標としています。
【Light】 光
十分な自然光を浴びることは、生産性の向上や健康被害のリスクの軽減に繋がることが明らかになっています。WELLでは、自然光を積極的に取り入れるだけでなく、サーカディアンリズムを考慮した照明設計や、グレア防止のための輝度条件など、快適性の高い空間を提供します。
【Movement】 活動
現代は、デスクワークの増加に伴い大半の人々が慢性的な運動不足に陥っています。 WELLでは、ビルト・エンバイロメント (建築や都市の環境)に身体活動を促進するためのデザイン戦略を設け、日常生活に運動を取り入れる工夫が考案されています。
【Thermal Comfort】 温熱快適性
熱的快適性が人々の集中力や気分に与える影響は大きく、空間の温湿度が不適切だと生産性が平均14~15%低下することが明らかになっています。WELLでは、個人の主観的な好みに対応できるような空調ゾーニングや、柔軟なドレスコードの要求などの基準があります。
【Sound】 音
周囲の喋り声や空調機器から発生するノイズは、集中力・記憶保持・暗算を妨げることや、高速道路などの外部騒音は、睡眠障害・高血圧・心筋梗塞のリスクをもたらすことが明らかになっています。WELLでは、音響ゾーニング・空調設備・内装材の音響性能の向上などによって、建物利用者の音響快適性の懸念に対処します。
【Materials】 材料
建設で主に使用される化学物質の推定95%は、健康への影響に関する十分なデータがないとされています。VOCやSVOCはどちらも呼吸器への刺激や癌など様々な健康への影響があります。WELLでは、フロア材・家具・塗料などの屋内環境に使われるあらゆる建築材料からの有害物質の含有量や放散量を制限し、人体へ晒されるリスクを軽減することを目指しています。
【Mind】 こころ
人間の心と身体は強い繋がりがあり、慢性的なストレスは身体機能に深刻なダメージをもたらします。バイオフィリアやアートを取り入れた建物のデザイン要素、リラクゼーションスペース、定期的な利用者アンケート等により、精神面や感情面での健康を支えるストレスの少ない生産性の高いビルト・エンバイロメントを提供します。
【Community】 コミュニティ
あらゆる人々に対して健康に関する知識や質の高い医療サービスの手ごろなアクセスを提供することは、個人やコミュニティレベルでの健康を形成することに繋がります。WELLでは、健康格差の縮小やヘルスリテラシーの強化および健康文化の構築に役立つガイドラインを提供します。

4. WELL認定プロフェッショナル

WELL認定プロフェッショナル(WELL Accredited Professional(以下「WELL AP」))とは、GBCI®(Green Business Certification Inc.)が認めるWELLについての専門知識を持つ技術者であり、試験に合格した者が認定プロフェッショナルとなります。

WELL APは、認証取得を目指す建物が、WELL評価システムの各項目の要件を満たすのに必要なアドバイスを行います。ヴォンエルフにも有資格者が複数在籍しています。

5. 認証のプロセス

WELL 認証の審査・交付はGBCI®が定める基準のもとで行われます。申請書類の提出および申請作業に関する連絡は、すべてオンラインで行います。WELL認証のプロセスには書類審査と現地審査があります。

〈申請手順〉
1.WELL Onlineへの登録

WELL Onlineへプロジェクトの基本情報(プロジェクト名、所在地、面積、用途、ビルオーナー名など)を入力し、プロジェクト登録が完了した段階で、WELL Onlineの利用が可能になります。

2.申請書類の準備

各項目の申請に必要な情報を用意し、申請書類を作成します。

3.審査

WELL認証の審査には、書類審査と現地審査があります。

書類審査
書類審査では、申請書類がすべて揃った段階で、初回の申請を行います。初回審査完了後、GBCI®の審査チームから審査結果が指摘事項と共に返却されます。申請者は指摘事項を踏まえ、追加資料や補強説明を加えた最終審査書類を作成し再度提出します。最終の書類審査を通過すると、現地審査のステップへ移行します。

現地審査
現地審査では、サードパーティーPTA(Performance Testing Agent)が現地にて、予め定められている項目の測定や検証を行います。現地での検証データ・写真・他エビデンスをGBCI®が評価し、審査結果が返却されます。指摘事項がある場合には、指摘事項への対応と必要に応じて再度現地審査を受けます。
書類審査結果と現地審査結果で確定した点数に応じて、WELL認証が交付されます。
なお、WELL認証を維持するには規定の年次報告書を提出し、3年毎に再審査を受ける必要があります。

WELLWELL

6. 評価ランク

WELL v2の認証レベルは、WELL Certification、WELL Coreともに、必須項目をすべて満たした上で、加点項目での得点が高い順にプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4段階で評価されます。それぞれ80、60、50、40点以上の得点が必要になります。

WELL

7. 認証取得にかかる費用

WELL認証取得には、コンサルティングフィーの他にプロジェクト登録費用・書類審査費用・現地審査費用が必要です。プロジェクト費用は、認証類型の別、プロジェクトの延床面積によって異なります。3年毎の更新時にも書類審査費用・現地審査費用が必要です。

費用の詳細については、こちらをご参照下さい。

https://www.wellcertified.com/certification/v2/pricing

注:IWBI、及びGBCI®は、ここで紹介された WELLの要約や和訳に関与しておらず、全てヴォンエルフによる編集です。詳細はこちらをご参照ください。

wellcertified.com


1. WELL Health-Safety Ratingとは

WELL Health-Safety Ratingとは、 感染症対策に特化した、施設の管理・運営に関する世界基準の評価システムです。

WELL Health-Safety Ratingは、さまざまな事業者が従業員や訪問者などの健康を優先できるように制度設計されており、取得すると建物入口のWELL Health-Safety Ratedシールが目印になります。このシールを掲示することは、感染症対策をはじめ、科学的根拠に基づく施設の清掃・消毒、空気質・水質管理、緊急事態対策など、人々の健康・安全・福祉に配慮した管理・運営を行っていることを広く利用者に伝えることができます。WELL認証に比べて審査コストが低く、評価期間も短いため、オフィスビルだけでなく、国内の大型ショッピングモールでも積極的に導入されており、WELL Health-Safety Ratingは安心をアピールする取り組みとして一定のニーズがあります。

WELL Health-Safety Ratingは、WELL Performance Rating、WELL Equity Ratingと共に、WELL認証のサブセットのひとつです。WELL Health-Safety Ratingは、1番目のRatingとして2020年に開発・発表されました。COVID-19の流行を受け設置されたタスクフォースにおいて、公衆衛生等の600人以上の様々な分野の専門家による知見を踏まえて2020年に設計・公開されました。

2. 評価項目・評価取得に必要なポイント

WELL Health Safety Ratingは、5つのConcept(カテゴリー)にまたがる、20以上のFeature(項目)で構成されています。

プロジェクトがWELL Health Safety Ratingを取得するには、5つのConceptにイノベーション項目を加えた全27 Featureのうち、15ポイント以上を獲得する必要があります。

Ratingには必須で取得しなければならない項目が存在しないため、施設の種類や用途に基づいてカスタマイズ可能であり、組織のニーズに柔軟に対応できます。WELL認証のようなレベルはなく、有効期間は1年間です。

WELL Health-Safety Rating (Q4 2022)
【SC】 洗浄および消毒の方法
SC1
手洗いのサポート
SC2
表面接触の削減
SC3
洗浄方法の改善
SC4
望ましいクリーニング製品の選択
SC5
呼吸器粒子への暴露削減
【SE】 緊急事態準備プログラム
SE1
緊急時準備計画の策定
SE2
事業継続計画の策定
SE3
健康を配慮した建物利用再開計画
SE4
緊急時に必要なものの提供
SE5
緊急時レジリエンスの強化
SE6
健康的な入場要件の確立
【SH】 医療サービスのリソース
SH1
病気休暇の提供
SH2
医療サービスの提供
SH3
メンタルヘルスの回復支援
SH4
インフルエンザワクチン接種の推進
SH5
禁煙環境の推進
【SA】 空気質および水質管理
SA1
換気のアセスメント
SA2
空気処理システムの評価と維持
SA3
レジオネラ管理計画の策定
SA4
空気質と水質のモニタリング
SA5
カビと湿気の管理
【SS】 利害関係者の関与とコミュニケーション
SS1
健康とウェルネスの促進
SS2
食品検査情報の共有
【SI】 イノベーション
SI1~5
イノベーション I-V
SI6
Health-Safetyへのゲートウェイ

*WELL Health-Safety Rating 要件(原文): https://v2.wellcertified.com/en/health-safety/overview

3. 審査機関と審査プロセス

WELL Health-Safety Ratingは、WELLや他のRatingと同様に、 IWBI(The International WELL Building Institute)による開発と運用が行われ、第三者機関であるGBCI®(Green Business Certification Inc. )による審査が行われます。

Ratingの審査および交付はGBCI(Green Business Certification Inc.)が定める基準のもとで行われます。申請書類の提出および申請作業に関するやりとりは、全てオンライン上で行われます。

【審査プロセス】
1.WELL Onlineへの登録

WELL Onlineへプロジェクトの基本情報(プロジェクト名、所在地、面積、用途、ビルオーナー名など)を入力した段階で、WELL Onlineの利用が可能になります。

2.申請書類の準備

各項目の申請に必要な情報を用意し、申請書類を作成します。

3.審査

すべての申請書類の作成が完了した段階で、初回審査申請を行います。初回審査完了後、GBCI®の審査チームから審査結果が質疑事項と共に返却されます。

申請者は質疑事項を踏まえ、追加資料と補強説明を加えた最終審査書類を作成・提出する必要があります。最終審査で15点以上獲得できた場合、WELL Health-Safety Ratingの評価を受理でき、シールと証書が交付されます。

WELL Health-Safety Ratingでは、書類審査が行われます。現地審査は行われません。

4. WELL Health-Safety Rating評価取得にかかる費用

WELL Health-Safety Ratingの取得には、コンサルティングフィーの他にプロジェクト登録費用が必要です。 プロジェクト登録費用(審査費が含まれる)は標準プロジェクトでは$5,000USD、大規模プロジェクトでは$12,600USDなど、プロジェクトの規模により変動します。また、複数のプロジェクトの同時登録では大幅な割引があります。

費用の詳細については、こちらをご参照下さい。

https://www.wellcertified.com/health-safety/pricing

注:IWBI、及びGBCI®は、ここで紹介された WELL Health-Safety Ratingの要約や和訳に関与しておらず、全てヴォンエルフによる編集です。詳細はこちらをご参照ください。

wellcertified.com/ratings


1. WELL Performance Ratingとは

WELL Performance Ratingとは、建物性能と居住者の体験データを活用してビジネス上の意思決定を行い、組織文化を変えるためのロードマップです。WELL認証に基づいて、WELL Performance Ratingは、WELLロードマップ内の測定可能な建物性能戦略に焦点を当て、現地試験とセンサー技術を通じて検証することを組織に提供します。

WELL Performance Ratingはパンデミックの次の段階を視野に入れ、主要な室内環境品質(IEQ)指標に関する継続的なモニタリングと、パフォーマンスの最善策を追及することに主眼が置かれたシステムです。WELL Health Safety Ratingとの大きな相違点は、WELL Health Safety Ratingが建物や空間の運営方針の策定と実践を定性的に評価するものに対し、WELL Performance Ratingは計測やモニタリングを通じた定量的な評価であり、資格のある計測の実施者、一定の基準を満たす計測機器の利用、居住者に対する調査の実施、等で構成されています。

WELL Performance Ratingは、WELL Health-Safety Rating 、WELL Equity Ratingと共に、WELL認証のサブセットのひとつです。WELL Health Safety Ratingに続いて2番目のRatingとしてIWBIにより2021年に開発・発表されました。120名以上の様々な分野のアドバイザー、42の世界各地のWELL PTO、10以上センサーテクノロジー市場を牽引する組織、15以上のWELLエンタープライズプロバイダーによる知見を踏まえて制度設計されました。

2. 評価項目・評価取得に必要なポイント

WELL Performance Ratingは、7つのConcept(カテゴリ)にまたがる、30以上のFeature(項目)で構成されています。
プロジェクトがWELL Performance Ratingを取得するためには、7つのConceptにイノベーション項目を加えた全37Featureのうち、21ポイント以上を達成する必要があります。

Ratingは必須で取得しなければならない項目が存在しないため、施設の種類や用途に基づいてカスタマイズ可能であり、組織のニーズに柔軟に対応できます。WELL認証のようなレベルはなく、有効期間は1年間です。

WELL Performance Rating (Q4 2022)
【PA】 室内空気質
PA1
粒子状物質に関する閾値の達成
PA2
粒子状物質に関する強化された閾値の達成
PA3
有機ガスに関する閾値の達成
PA4
有機ガスに関する強化された閾値の達成
PA5
無機ガスに対する閾値の達成
PA6
無機ガスに対する強化された閾値の達成
PA7
適切な換気の確保
PA8
外気供給の増加
PA9
ラドンの閾値の達成
【PW】 水質管理
PW1
水質指標を確認する
PW2
化学物質の閾値の達成
PW3
有機物および農薬に関する閾値の達成
PW4
飲料水の味覚に関する閾値の達成
【PL】 照度測定
PL1
視認性の確保
PL2
昼間の活動的な人のための照明
【PT】 温熱環境
PT1
快適な温度環境
PT2
相対湿度の管理
【PS】 音響性能
PS1
暗騒音レベルの抑制
PS2
壁面遮音性能の確保
PS3
残響時間の確保
PS4
衝撃音評価の閾値の達成
PS5
音声の明瞭度を向上させる
【PM】 環境モニタリング
PM1
空気環境パラメータの測定
PM2
インドアエアモニタの設置
PM3
空気環境の意識向上
PM4
温熱環境のモニタリング
PM5
開閉可能な窓
PM6
飲料水の水質評価と維持管理
【PX】 居住経験
PX1
居住者調査
PX2
エンハンスド・サーベイの活用
PX3
入居前・入居後調査の実施
PX4
インタビュー、フォーカスグループ、及び/又は観察を促進する
PX5
熱的快適性についての調査
【PI】 イノベーション
PI1~5
イノベーション I-V

3. 審査機関と審査プロセス

WELL Performance Rating は、WELLや他のRatingと同様に、 IWBI(The International WELL Building Institute)による開発と運用が行われ、第三者機関であるGBCI®( Green Business Certification Inc. )による審査が行われます。

Ratingの審査および交付はGBCI®(Green Building Certification Inc.)が定める基準のもとで行われます。申請書類の提出および申請作業に関するやりとりは、全てオンライン上で行われます。

【審査プロセス】
1.WELL Onlineへの登録

WELL Onlineへプロジェクトの基本情報(プロジェクト名、所在地、面積、用途、ビルオーナー名など)を入力した段階で、WELL Onlineの利用が可能になります。

2.申請書類の準備

各項目の申請に必要な情報を用意し、申請書類を作成します。

3.審査

WELL Performance Ratingでは、他のRatingとは異なり、選択した項目によって書類審査だけでなく現地審査が必要な場合があります。

書類審査
すべての申請書類の作成が完了した段階で、初回の申請を行います。初回審査完了後、GBCI®審査チームから審査結果が指摘事項と共に返却されます。申請者はGBCI®の指摘事項を踏まえ、追加資料と補強説明を加えた最終審査書類を作成し再度提出します。最終の書類審査を通過すると現地審査のステップへ移行します。

現地審査
現地審査では、GBCI®が認めた第三者機関のPTA(Performance Testing Agent)が現地にて測定や写真撮影を行います。PTAが現地で集めたデータをGBCIが評価し、審査結果が返却されます。GBCI®の指摘事項がある場合には、全体の合計点のバランスを考慮したうえで再度現地で測定を行います。

評価の受理
書類審査結果と現地審査結果で21ポイント以上達成できた場合、WELL Performance Ratingの評価を受理でき、シールと証書が交付されます。

4. WELL Performance Rating取得にかかる費用

WELL Performance Rating評価取得には、コンサルティングフィーの他にプロジェクト登録費用が必要です。 プロジェクト登録費用(書類審査・評価まで含む)は単一のプロジェクトでは$5,000USD、公益施設、スモールビジネスのプロジェクトには割引制度があります。また複数のプロジェクトの同時登録では大幅な割引があります。

費用の詳細については、こちらをご参照下さい。

https://www.wellcertified.com/performance/pricing

注:IWBI、及びGBCI®は、ここで紹介された WELL Performance Ratingの要約や和訳に関与しておらず、全てヴォンエルフによる編集です。詳細はこちらをご参照ください。

wellcertified.com/ratings


WELL Equity Ratingとは

WELL Equity Ratingとは、企業文化や社員の健康を改善するために、組織における健康・福祉・アクセシビリティ(accessibility)・多様性(diversity)・包括性(inclusion)などを含む「公正性(Equity)」を促進するための評価システムです。

人々の格差を解消し、公平で人ファーストの場所づくりを支援するとともに、組織のESG(環境、社会、ガバナンス)、企業社会責任(CSR)、社会的影響の成果を改善していくための有効なツールでもあります。企業の新たなターゲットの設定に貢献することを目指した、全く新しいツールです。

WELL Equity Ratingは、WELL Performance Rating、WELL Health-Safety Ratingと共に、WELL認証のサブセットのひとつです。WELL Equity Ratingは、WELL Health-Safety Rating、WELL Performance Ratingに続いて3番目のRating として2022年に開発・発表されました。26カ国44人の共同議長を含む158人の様々な分野のアドバイザーによる知見を踏まえて設計されました。

2. 評価項目・評価取得に必要なポイント

WELL Equity Ratingは、6つのConcept(カテゴリー)にまたがる、40以上のFeature(項目)で構成されています。 プロジェクトがWELL Equity Ratingを取得するには、6つのConceptにイノベーション項目を加えた全49 Featureのうち、21ポイント以上を達成する必要があります。

Ratingは必須で取得しなければならない項目が存在しないため、施設の種類や用途に基づいてカスタマイズ可能であり、組織のニーズに柔軟に対応できます。WELL認証のようなレベルはなく、有効期間は1年間です。

WELL Equity Rating (Q3 2022)
【EE】ユーザー・エクスペリエンスとフィードバック
EE1
DEI評価とアクションプランの作成
EE2
統合的なデザイン
EE3
基本的なアンケートの実施
EE4
更なる調査の活用
EE5
インタビュー、フォーカスグループおよび/または観察促進
EE6
ベースライン調査および年次調査の実施
EE7
ストレスマネジメント計画の策定
【EH】責任ある雇用と労働慣行
EH1
DEI支援システムの導入
EH2
DEI雇用慣行と賃金の公平性の実施
EH3
責任ある労働慣行の開示と評価
EH4
責任ある労働慣行の実施
【ED】インクルーシブデザイン
ED1
アクセシブルデザインとユニバーサルデザインの統合
ED2
トイレの配慮
ED3
自然、場所、文化の促進
ED4
照明環境の向上
ED5
人間工学に基づいたワークステーションの設計と制御の提供
ED6
更なる人間工学の提供
ED7
音響ゾーニングの実施
ED8
音声の明瞭性を高める
ED9
ワークプレイスの温度・照明制御の提供
ED10
敷地計画による移動支援
【EB】医療給付とサービス
EB1
健康効果の促進
EB2
充実した医療給付を提供する
EB3
アクセスしやすい医療サービスを提供する
EB4
病気休暇と柔軟な働き方を提供する公平な労働時間のサポート
EB5
育児支援を提供する
EB6
新米育児休暇とサポートの提供
EB7
家族のための休暇を支援する
EB8
メンタルヘルスの検査とサービスを提供する
EB9
教育・支援の確立
EB10
家庭内暴力の被害者の支援
【ES】支援的なプログラムと空間
ES1
授乳のためのサポートを提供する
ES2
回復のための空間を提供する
ES3
身体活動スペースの提供
ES4
推奨される清掃用具を選択する
ES5
地元の食材を利用できるようにする
ES6
食品の質を高める
ES7
食品過敏への対応
【EC】コミュニティへの参画
EC1
コミュニティへの参画
EC2
コミュニティスペースの提供
EC3
歴史的認識
EC4
アフォーダブルハウスを提供する
【EI】イノベーション
EI1~5
イノベーション I-V
EI6
DEIへのゲートウェイ

3. 審査機関と審査プロセス

【審査機関】

WELL Equity Rating は、WELL認証や他のRatingと同様に、 IWBI(The International WELL Building Institute )による開発と運用が行われ、第三者機関であるGBCI® (Green Business Certification Inc. )による審査が行われます。
Ratingの審査および交付はGBCI®(Green Business Certification Inc. )が定める基準のもとで行われます。申請書類の提出および申請作業に関するやりとりは、全てオンライン上で行われます。

【審査プロセス】
1.WELL Onlineへの登録

WELL Onlineへプロジェクトの基本情報(プロジェクト名、所在地、面積、用途、ビルオーナー名など)を入力した段階で、WELL Onlineの利用が可能になります。

2.申請書類の準備

各項目の申請に必要な情報を用意し、申請書類を作成します。

3.審査

すべての申請書類の作成が完了した段階で、初回審査申請を行います。初回審査完了後、GBCI®の審査チームから審査結果が質疑事項と共に返却されます。
申請者は質疑事項を踏まえ、追加資料と補強説明を加えた最終審査書類を作成・提出する必要があります。最終審査で21点以上獲得できた場合、WELL Equity Rating の評価を受理でき、シールと証書が交付されます。

WELL Equity Rating では、書類審査が行われます。現地審査は行われません。

4. WELL Equity Rating取得にかかる費用

WELL Equity Ratingの取得には、コンサルティングフィーの他にプロジェクト登録費用が必要です。 プロジェクト登録費用(審査費が含まれる。)は標準のプロジェクトでは$5,000USD、公益施設、スモールビジネスのプロジェクトには割引制度があります。また、複数のプロジェクトの同時登録では大幅な割引があります。
費用の詳細については、こちらをご参照下さい。

https://www.wellcertified.com/equity

注:IWBI、及びGBCI®は、ここで紹介されたWELL Equity Ratingの要約や和訳に関与しておらず、全てヴォンエルフによる編集です。詳細はこちらをご参照ください。

wellcertified.com/ratings